Distance‐マイナス5cm‐
今日も美味しそうにハンバーグを頬張る叶チャンを見ながら、あたしもハンバーグを頬張る。
我ながら上出来☆
“♪♪♪♪♪〜”
制服にしまっていた携帯が、着メロを鳴らしながら震えた。
メールだ。誰だろ。
ポケットから出し、閉じたままディスプレイを確認してみる。
『新着メール1件』
食事中だし、家に帰ってから見ればイイか。
そしてまたしまおうと、制服のポケットに手を入れた。
「誰?」
叶チャンは珍しく興味をしめし、ハンバーグを切っていた手を止め、あたしの顔を見る。
「分かんない、家帰ってから見てみる」
「今見ればイイじゃん」
「え?うん…」
どうしたんだろ、滅多にこんな事気にしたりする人じゃないのに。
ポケットに入れてた手を出し携帯を開いて、半ば強制的にメールを見た。
また、昨日のアドレス……
それは昨日の、叶チャンに迷惑掛けるなってメールのアドレスと同じだった。