Distance‐マイナス5cm‐
「じゃあ四人で手繋ごうよ!」
あたしはそう言って、結夢の手を取った。
「あたし中條クンとは繋がないわよ」
「何ッ、じゃあ霧島と繋げって事!?」
ピロリンは嫌そうな顔をして叶チャンを見た。
あたしと結夢も叶チャンの顔を覗き込む。
少しの間のあと、叶チャンはニヤけた顔をして言った。
「……中條、俺の事好きだったんじゃねーの?自己紹介で告っといて」
そう言えばそんな事言ってたよね!
「ピロリン、叶チャンを弄ぶなんて凄いね!」
「中條クン、霧島クンが可哀相よ、期待させといて」
「なぁッ!」
焦るピロリンをよそに、あたし達三人はクスクスと笑い合った。
こうやって、友達としてずっと続いていけばイイな。
叶チャンと昔みたいに笑い合って、結夢と冗談言って、ピロリンをからかったりからかわれたり……
叶チャンへの気持ちは昔とは違うけど、やっぱり好きって気持ちはあるから。
結夢の事もピロリンの事も、あたしは大好きだから。
ずっと続いていけばイイのに………
「うわぁ〜!すっごい!」
万里の長城から臨める景色に、あたしは声を上げたんだ。