Distance‐マイナス5cm‐


それから昼食を取った後、巨大な石像が立ち並ぶ神路を歩き、北京動物園のパンダに和んだ後、夕食を取り、ホテルへと戻って来た。

ホテルへ着いたのは、9時前だった。




今日はいっぱい行動したし疲れたな。


と思いながらも、お風呂に入って点呼が終わった後、あたしは誠の部屋に行く為に制服に着替え始めた。



「のん、どっか行くの?あ、誠の所か。あたしも暇だし行ってイイ?」


制服に着替え始めたあたしに、結夢はベッドに横になっていた体をむくッと起こして聞いてきた。


どこに行くかなんて言わなくても、結夢にはお見通しらしい。


あたしは「一緒に行こう」と言って、結夢が着替え終わるのを待った。







点呼が終わったら部屋からは出ちゃいけない。


あたし達はそろりそろりと部屋を抜け出し、隣の棟へ続く渡り廊下を渡り、エレベーターホールに出た。


ここは4階。

2組と4組は、男女とも4階を借り切っている。


誠達7組は3階。

奇数クラスが2階〜3階を借り切っているんだ。





3階へ下りる為にエレベーターを待っていると、女子棟から誰かの声が聞こえてきた。
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