Distance‐マイナス5cm‐


それから四人で他愛もない話をしている。


でもあたしは何を話してるのかよく分からない。



てか眠すぎる……






「……ん。……のんッ」


「ふぇ?」


「ふぇじゃないわよ」



目を開けると、みんながあたしの顔を覗き込んでいた。




今目を開けたって事は、あたし寝てたのか。




うー……

頭がモヤモヤする。



多分、今あたしはすんごいアホ面してるんだろうな。



「ちょっと顔洗ってくるね」

そう言ってあたしはベッドから下りて、大理石の洗面所へ向かった。





蛇口を捻って水で顔を洗う。



バシャバシャと豪快に洗ったら、水の冷たさが目を覚まさせてくれた。





改めてこの洗面所を見回してみると凄い。




8畳くらいはあるこの一室。

洗面台に大きな鏡。

シャワー付きのお風呂に、洋式のトイレ。

鏡とシャワーとトイレ以外は、全部大理石で出来ている。


日本のホテルだったら、こんな所修学旅行じゃ泊まれないんだろうな。




そんな事を考えながら、部屋に戻ろうとドアを開けた時――……
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