Distance‐マイナス5cm‐
怖い……
誰からかも分からないメール。
きっとまた、叶チャンに迷惑掛けるなって内容だよね。
見るのが怖かった。
でもここで躊躇っていると、変な風に思われる。
心配は掛けたくないし……
チラッと叶チャンを見ると、手を止めてあたしを見ていた。
あたしは携帯に目を落とし、少し震える指でボタンを押した。
『迷惑だってのわからないの?そんなに人に迷惑かけて楽しいわけ?ご愁傷様ぁ(笑)』
やっぱり……
やっぱりあたしは迷惑なのかな……
落ち込んだ気持ちを悟られないように、涙腺をしっかりしめて携帯をポケットにしまった。
「誰からだった?」
すかさず叶チャンが聞く。
「ゆ、結夢。なんか暇らしくてさぁ」
あはは、と本当の気持ちが悟られないように、笑ってみせた。
「……そか」
納得したのか、またハンバーグを食べ始める。
紛らわせられたかな……
誰がこのメール、送ってきてるのかな……
叶チャンを好きな人だよね。
それから無言でハンバーグをつついた。