Distance‐マイナス5cm‐



怖い……



誰からかも分からないメール。



きっとまた、叶チャンに迷惑掛けるなって内容だよね。


見るのが怖かった。


でもここで躊躇っていると、変な風に思われる。



心配は掛けたくないし……



チラッと叶チャンを見ると、手を止めてあたしを見ていた。

あたしは携帯に目を落とし、少し震える指でボタンを押した。



『迷惑だってのわからないの?そんなに人に迷惑かけて楽しいわけ?ご愁傷様ぁ(笑)』



やっぱり……


やっぱりあたしは迷惑なのかな……


落ち込んだ気持ちを悟られないように、涙腺をしっかりしめて携帯をポケットにしまった。


「誰からだった?」

すかさず叶チャンが聞く。

「ゆ、結夢。なんか暇らしくてさぁ」

あはは、と本当の気持ちが悟られないように、笑ってみせた。


「……そか」

納得したのか、またハンバーグを食べ始める。



紛らわせられたかな……




誰がこのメール、送ってきてるのかな……



叶チャンを好きな人だよね。




それから無言でハンバーグをつついた。
< 39 / 481 >

この作品をシェア

pagetop