Distance‐マイナス5cm‐

それは、誠と美姫とお母さんからだった。


『日本に戻って来ちゃったなぁ。飛行機揺れたけど具合悪くなったりしてない?

学校着いたら、一緒に帰ろうか☆』


誠、電波届くようになったら真っ先にメールしてくるなんて。

さすがだわ。


あたしは半ば感心しつつ、今度は美姫からのメールを開いた。

美姫からのメールは、つい一時間程前にきていたものだった。



『のぞみサンお帰りなさい。中国はどうだった?お土産忘れてないわよね?

日本に着いた時にメールが1件も届いてなかったら可哀相だと思って、メールしてあげたわ。』



美姫らしい。

素直じゃないんだから。

てかこの口調久しぶりでかなりツボ!


あたしはニヤニヤしながら、お母さんからのメールを開いた。



『おかえりのぞみ。中国は寒かったでしょ。風邪引いてない?お父さんも心配していたよ。今日の夕ご飯は鍋よ』


お母さんのメールも、今から一時間程前に送られてきたものだった。






何だか嬉しいな。

こうやって、自分の帰りを待っていてくれる人がいるって。




学校に着いて、あたしは誠と結夢の三人で帰る事になった。
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