Distance‐マイナス5cm‐
「のぞみチャン、居心地悪い思いさせちゃってたらゴメンね」
あたしの気持ちを察したのか、おじさんは眉をひそめて笑った。
何だかその顔が叶チャンにそっくりで、こんなに性格は違うのに、やっぱり親子なんだなぁって思う。
おじさんに返したあたしの苦笑いも、お母さんか、お父さんに似ているのかな……
「のぞみチャンにも聞いてもらいたい話なんだ、叶一の為にも」
おじさんは先程の笑顔であたしに言う。
あたしが聞く事が、叶チャンの為になる。
その理由が知りたくて、あたしはようやく玉子焼きを飲み込んで、耳を傾けた。