Distance‐マイナス5cm‐
Side Kyoichi's father
俺の名前は霧島隼人。
気合いの入った短ラン、ボンタン、リーゼントに剃り込み。
高校1年。
と、言いたいところだが、二度喫煙が見付かり、停学を経て、三度目は晴れて退学処分。
今はガソスタでバイトをしながらパチンコの毎日。
稼いだ金は趣味のバイクに注ぎ込んでいる。
毎日やりもしない勉強の為に無駄に学校に通うよりは、充実した毎日だ。
俺の中ではね。
こんなどーしようもない俺の人生には、いつもあいつらがいた。
同い年の遥と、三個上の良樹。
俺達は幼なじみで、何かとよく集まっていた。
良樹は大学に行くような真面目な奴で、でも俺が小六の時に煙草を覚えたのは、こいつの影響だった。
そう、今では真面目ぶっているが、昔は酷かった。
そんな俺らに愛想を尽かせながらも、ずっと世話をやいてくれている遥。
遥は俺が退学になった高校に、今もちゃんと通っている。
そんな俺達三人。
それぞれに違う仲間は居ても、この関係が崩れる事は無かった。
あの日までは。