Distance‐マイナス5cm‐
クリスマスプレゼント
それからは何事も無く、数日が経った。
もうクリスマス目前。
今年の冬の到来は早く、もう、雪が少しだけ積もっていた。
その雪を踏み締めながら、今日も誠と一緒に登校している。
あたし達は、きっと周りから見たら、いつもと何も変わらないんだと思う。
毎日一緒に登校して、放課後はたまに結夢と買い物に行く事もあるけど、ほとんど誠と帰っている。
デートもするし手も繋ぐ。
付き合い始めた頃と、何も変わらない仲良しバカップル。
きっと周りからは、そう見られている。
でも違うんだ。
あの頃とは違う。
それに気付いているのは、あたし達、当人だけなのかもしれない。
雪を踏む音が響く。
風の冷たさで、繋がれた手の温かさを感じた。
「誠、今年もクリスマスはバイト入れてないよね?」
「当たり前だろ」
それを聞いて安心するのに、やっぱり去年とは違う。