Distance‐マイナス5cm‐
幸せの努力
あれから、どんな風に毎日を過ごしていたのか、思い出せない。
毎日の様に鳴っていた誠専用の着うたは、もう鳴る事はなく、何度問い合わせしてみても、メールも届いていなかった。
誠が居る事は、あまりに当たり前の様になっていて。
そう思う度涙が頬を伝うんだけど、それはただの、あたしの甘えだ。
誠は、あたしの為にしてくれたんだ。
一番苦しいのは、誠なんだ……
それでも年明けには、誠と初詣に行った事を思い出す。
誠との思い出は、きっと消えない。
戻らなくても、あたしは忘れない。