Distance‐マイナス5cm‐


『なんか文化祭のクラス委員になっちゃったょぅ(;_;)だから一ヶ月くらぃ一緒に帰れなくなっちゃったぁ↓↓』


――送信。

叶チャンにメールを送り、叶チャンのお父さんにも、一ヶ月夕ご飯の支度ができない旨をメールで伝えた。


叶チャンからは、

『わかった。授業中寝てばっかいんじゃねーよ!』

と返事がきた。

そしておじさんからは、

『のぞみチャンの手料理が食べられないのは残念(T_T)委員頑張ってね☆★』

ときた。


相変わらず似てない親子だなと苦笑した。



携帯をしまい誠を見ると、今まさに帰ろうと教室を出るところだった。

「ちょっとちょっと待って!誠ーー!!」

サボろうなんてイイ度胸してるじゃない!

叶チャンと帰れないあたしでさえ頑張ろうと思ってんのにぃ!


駆け足で誠を追い掛け、グイッと腕を掴む。

「ちょっと、今日サボる気」

これ以上ないってくらい不機嫌な顔をして睨んだ。

誠はそんなあたしの表情も意に介さず、何の事やらと惚けた顔で振り向いた。

「のん、俺と一緒に帰りたいの?」

終いにはこんな事まで聞いてくる。
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