Distance‐マイナス5cm‐
純白のドレス
叶チャンが転校する事が知れ渡った時の、学校中の女子の反応は凄かった。
もう涙を滝の様に流す子。
嫌だと叫ぶ子。
写真を一緒に撮りたいと一人が言うと、皆が殺到した。
とにかく叶チャンは毎日の様に告られ……
でも、誰とも付き合わなかった。
改めて知った、叶チャンのモテぶり。
今まで、ずっと忘れてた。
だって最近は告白とかされてなかったみたいだし。
元々近寄りがたい雰囲気はあったけど、あたしや結夢やピロリンの四人で居る様になって、入り込めないって周りの女の子は諦めてたのかな?
と、推測する。
もうすぐあたしの誕生日。
あれから誠とは、学校で擦れ違う時に挨拶を交わす程度になった。
だってね、今から友達になんて戻れない。
いつかまた、誠と付き合っていた事を『記憶』でなく『思い出』にする事が出来たら……
その時はまた、友達として笑い合えるよね。
その時は笑顔で
「ありがとう」
って伝えよう。