Distance‐マイナス5cm‐
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ある6月の晴れた日。
俺の地元では、一組の、あるカップルの結婚式が行われていた。
二人は色々なすれ違いや遠回りをして、ようやくこの日、結ばれた。
二人の幼い頃の夢が叶い、約束は果たされた。
「のぞみサン……おめでとう」
そう言って涙ぐむのは、俺の幼なじみ。
彼女は初め、のぞみの事を敵視していた。
でもこうやってのぞみの幸せを喜ぶ事が出来るのは、彼女がこの長い年月で変わっていったからだろう。
「のん、幸せにね……」
そう言って涙をボロボロと流すのは、俺のかつての同級生。
彼女はずっと、のぞみの幸せを願ってきた。
そんな親友の結婚式ともあれば、いくら毒舌な彼女でも、喜びの涙で毒を吐ける訳も無かった。
「霧島とロリの子供ってどんなになんだろうな!」
そう言ってはしゃぐのは、のぞみの親友の彼氏。
彼の明るかった髪の色は、今は真っ黒になっていた。
だけど明るくてお調子者な性格は何年経っても変わらず、この日も彼女に呆れられていた。