Distance‐マイナス5cm‐
そして、去って行く後ろ姿の隣には女の子が居て。
「叶一♪第二ボタンだけはちゃんと死守してくれたぁ?」
「あー、ダリィからシカトしてたし全部残ってる。これごとやるよ」
「きゃあ〜♪学ランくれるのぉ?嬉しい」
「家宝にしろよ」
「するするぅ〜♪あはは」
あぁ……
そーゆう事か
寒いって言ってたのに、学ランごとあげちゃうなんて
失恋……
彼女……
叶チャンと早川サン、噂になってたもんね。
高校も一緒だもんね。
背が高くて少し切れ長の目。高く通った鼻筋に、悪戯っ子みたいに少し端のあがった唇、整った顔。
その隣には、大きな瞳で優しい笑顔の、学校のアイドル早川サン。
悔しいけどお似合いだった。
でも、それを認めちゃってる自分が一番悔しかった。