Distance‐マイナス5cm‐
否定的意見
今日は朝からロングホームルームで、文化祭の事を決めるらしかった。
あたしと誠は前に出て、昨日決めた事の説明をする。
まぁ、あたしは誠が言った事のメモを読んでるだけなんだけど。
「それで、男女一組でペアを作ってもらいたいんだけど、何で決めたらイイですかー?」
あたしは棒読みで意見を求めた。
「やっぱ好きなもん同士だろ」
「うちのクラスカップルばっかじゃん!」
案の定意見はまとまらず、皆は言いたい放題。
教室中が騒がしくなってきた頃、いつも無気力な結夢が珍しく手を上げた。
「はいはーい!のんと誠は決定でイイと思いまーっす♪」
意気揚々と発言する結夢に視線が集まった。
――はいッ?
今、何て言いました?
「な、何言ってんの!勝手に決めないでよ!」
結夢の発言に一瞬思考回路を停止させられてしまい少し間が開いたけど、あたしは必死の抗議をした。
そんな事は気にも留めないで、結夢は誠を見る。
「誠はイイよねぇ?」
「おう♪のんよろしく」
頼みの綱の誠はこの案に賛成らしく、笑顔でこちらを向いた。
「ちょッ、ちょちょッ、ちょっとーー!!」