Distance‐マイナス5cm‐
何であたし、こんなにドキドキしてるんだろ?
今まで何回か告られた事はあったけど、こんな気持ちになる事なんて無かった。
「あたし、バカって言っちゃった……」
あの時の叶チャンと同じ事を言った事に気付いた。
友達だと思ってたのに。
向こうも、あたしの事を友達だと思ってるんだと思ってた。
あまりに突然過ぎて、誠の言った事が信じられなかった。
「叶チャンも、こんな気持ちだったのかな……」
あの時の叶チャンの気持ちが、何と無く分かったような気がした。
そしてドキドキが治まらないあたしは、誰かに相談したかった。
こんな時に相談できるのは結夢しかいない。
『結夢、今日はホントにゴメンね。明日話したぃ事があるから、朝話そぅ??』
結夢に、今日の事をどうしても謝りたかった。
そして、相談に乗って欲しかった。
ケンカ中なのに躊躇う気持ちもなく、メールを送信した。
その日は朝まで眠れなかった。