Distance‐マイナス5cm‐
結夢はその日から毎日放課後は残ってくれて、クラス委員のあたしと誠を二人だけにしないように、一緒に帰ってくれていた。
誠とはあの日以来何だか気まずくて、ずっと避けている。
誠の方も、何も言ってきたりはしなかった。
あれはやっぱり冗談だったんじゃないかな?
と思い始めてもいる。
でも誠は、少し変わった。
いつも遅刻ばかりで、何をするでもいい加減で、適当で、バカな事ばっかりやっていたのに、クラス委員になってからは一度も遅刻してないし、放課後もサボる事はなかった。
叶チャンとはたまにメールをしてる。
あたしからばっかりで、叶チャンからは全く送ってきてはくれないけど、それは昔から。
あとはたまに学校ですれ違う時、挨拶をする程度。
叶チャンが恋しくてたまらない……
あたしの素直な気持ちは、これだった。
昼休みに何度会いに行こうかと思った事か。
でもきっと、迷惑になっちゃう。
叶チャンは前、あたしに掛けられる迷惑は楽しみだって言ってくれたけど、甘えてばかりもいられない。
そんな毎日を過ごし、準備も順調に進んで、もう文化祭前日。