Distance‐マイナス5cm‐
「あたし今日は叶チャンと帰るから、結夢は彼氏とデート楽しんでねぇ」
頬杖つきながら、あたしのこれからの予定と、結夢のこれからの予定を想像してニヤニヤするあたし。
「い、言われなくてもッ……てかのんはまだ霧島クン狙ってんの?懲りないねぇ」
赤くなる結夢のキツイ一言も、今のあたしには全くダメージなし♪
「イイんだもん。なんだかんだ言って、叶チャンはちゃんと付き合ってくれるし」
そう、フラれてからも、叶チャンは幼なじみとして、あたしを大事にはしてくれる。
あの日以来ちょっと変わっちゃった事もあるけど、気にしてなんていられない。
「のんモテるんだから、他の男に目ぇ向けてみればイイのに」
「そんな余裕全然ナッシング♪じゃあ結夢、デートの報告楽しみにしてるからぁ」
はぁ……。と溜め息をつく結夢に、手の代わりに鞄を振り回して教室を出る。
いざ、愛しの叶チャンのクラスへ♪