Distance‐マイナス5cm‐
「おまえら何やってんの」
今まで聞いた事ないような、誠の低い声。
その声に、真希サンともう一人の女の子は振り返った。
「ま、誠ッ……!」
真希サンの手には、ハサミとあたしが明日着る衣装のドレスが……
ビリビリに破られて無惨な姿になっていた。
――な…に……?
何やって……
――ドレ……ス……
「や、やめてッ……やめてぇぇ……!」
何が起こっているか理解した時、あたしの涙腺は決壊した。