Distance‐マイナス5cm‐
そういえば!
誠大丈夫かな!?
「叶チャン、あたし先に行くね!」
「あ?おう」
あたしは叶チャンを追い越し、走って学校へ向かった。
こんな事も初めてだった。
叶チャンと通学出来るなら、遅刻したってイイって思ってたのに。
まあ、叶チャンには嫌だって言われて、その夢は叶った事が無かったけど。
今はチャンスだったのに。
教室に入ると、みんなはもう衣装に着替えていた。
「のん、遅いよー」
「ごめんッ、てか結夢、超綺麗〜」
「そーお♪のんも早く着替えな」
結夢はブルーのドレスを着て、その姿でくるっと回ってみせた。
その姿に見惚れながら、あたしも自分の衣装に手を伸ばした。
誠と二人で作った衣装。
そう思ったら、むしょうにこの衣装に愛着を感じた。
着替える為に更衣室に向かおうとすると、
「誠もカッコ良かったよ」
と、結夢が耳打ちしてきた。
その言葉になぜか顔が熱くなり、更衣室まで走った。