Distance‐マイナス5cm‐
無事幕が下り、教室ではもうみんな打ち上げ状態。
「大成功だったね!!」
「なんか評判良かったみたいだよ♪」
「俺スカウトされちゃったりして」
「「ないない」」
そう、ステージは大成功、大盛況、万々歳だったのだ。
あたし達はダンスが終わった後、他のクラスに回りもしないで、みんなでこの控室(あたし達の教室)に集まって騒いでいる。
「のんとか、誠の足踏みそうになってたけどね」
「俺の華麗なステップで避けてやったよ」
「誠だってあたしの足踏みそうだったじゃん!」
「まぁ、仲がイイって事でぇ♪」
結夢がすかさず茶々を入れる。
「ちょッ、結夢ぇ」
もう、結夢は隙あらばいつも冷やかすんだから!
「何!?殿とのぞみチャンって付き合ってんの!?」
「ち、ちがッ」
「付き合ってねーよ」
宮下クンがあたしと誠に詰め寄り、あたしは思わず否定しようとした。
でも、誠が完全に否定した。
何だか、悲しかった。
なんて変なの……。