Distance‐マイナス5cm‐
あたしは確かに叶チャンが好きで、その気持ちは今も変わらない。
でも、諦める事も大切だって思った。
そんな風に思わせてくれたのは、時間や、真希サンや、叶チャン
そして、誠が居たから……
叶チャンの事は、今はあたしの中で
『憧れ』って位置に落ち着こうとしている。
今でもドキドキする。
胸が熱くなって、泣きそうなくらい愛しさを感じる。
でも、
届かない想いは苦しくて。
あたしはそんなに強くなくて。
15年間募らせた片思いは、嬉しくて、楽しくて、夢を見ていて……
だけど、拒絶された半年間は辛かった。
平気だって、自分を奮い立たせてきて、偽ってきたけど、
本当はどーしようもなく、悲しくて、不毛な事に気付いた。
誠に逃げるわけじゃない。
あたしはきっと、これからもっと誠を好きになっていく。
いけそうな気がする。
叶チャン以上に、きっと好きになっていくから……
きっと、きっと。
未来は分からないけど、
今は、この気持ちを信じたい……