Distance‐マイナス5cm‐
「何でそんな普通なのよ」
独り言みたいに、消えそうな声で呟く。
でもそんな声も聞き逃す事無く、誠は笑った。
「普通に見える?俺、これでも徹夜明け」
にひひっと笑った顔は、徹夜明けどころか、元気いっぱい☆なオーラでギラギラと眩しい。
「なんか、元気そうなんだけど」
「当たり前♪」
何で徹夜明けで元気なのが当たり前なのよ?
眠すぎて、逆にハイテンションとか?
「……変なの」
また独り言みたいに呟いたら、その声に反応して、突然誠は真剣な顔になった。
誠のこんな顔、あんまり見た事ない……。
顔が赤くなったのが、自分でも分かった。