『好き』なんだよ…
「今、行っても逆効果だと思いますよ。何を言っても言い訳にしか聞こえなくなって…西城さん。」
でも…。
「もう、忘れましょうよ…。西城さんのこと…。あたしが、忘れさせますから…。お願いします…。西城さんには柊がいる…。荒川君のそばに…あたしをいさせて…。」
俺の背中に抱きつく沢村楓。
俺のことをこんなに考えてるこの子をほおって、俺は瑠花をを追いかけられるのか…?
沢村楓の言うとおり、瑠花には沢村柊がいる。
俺が瑠花を追いかけるのに、何かあるのか??
「…忘れましょ…。」
忘れた方が瑠花のためになるのかも…。
静かな保健室の中で俺は、沢村楓の体に手をまわした。
「これで…忘れられます…。あたしが、そばにいますから…。」
この言葉が俺に暗示をかけた。