『好き』なんだよ…
あたしは、教室の前の受付で泣きだした。
人目なんて気にせずに…。
「おい! 吉田呼んでこい! 」
彩を呼んでくれている声が聞こえた。
すると、すぐに彩が来てくれて、あたしは、教室の裏で彩に抱かれて泣いた。
「で、何があったの? あんたが、こんなに泣くなんてめずらしい。」
あたしの涙は止まったけど、目の下は真っ赤。
「…保健室に裕がいるから、迎えに行ってって亀梨君に頼まれたの…。最初は嫌だって言ったんだけど、どうしてもって頼まれて…保健室に行ったら…。」
「行ったら?? 」
「…裕が、沢村楓さんを押し倒してた。」
「えっ?! 沢村楓ってあの“沢村楓”?! ってか、裕が押し倒してたの?! 」