ジェフティ 約束
「小僧、ここに墓でも掘ってほしいのか」
 シェシルの口の端がぴくっ動いた。
「図星だろう。方向音痴のくせに」
「殺す!」
 ラルフは、まだくすぶって煙を上げている焚き火を飛び越えて、森の中に逃げ込んだ。
「ぐずぐずしてると、また迷っちゃうぜ!」
 ラルフは声を上げて笑った。背後に「おぼえてろよ、小僧!」というつぶやきと舌打ちが迫ってきた。
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