ジェフティ 約束

■1-2 森の彼方

 彷徨いの森という名は、文字通り入ってしまうと彷徨ってしまうような地形の森だということだ。
 木の幹に白い斑点のあるブナの木が、びっしりと寄り添いあって生えていて、頭上を覆う木の枝に日光もさえぎられ、森の中は鬱々としている。背の高い下草がさらに視界をさえぎり行く手を阻む。
 森の地形も二人の行く手を阻んだ。
 朽ちた倒木が重なり合った場所、地面に亀裂が入り割れて口を開いている場所。大岩が隆起し立ちふさがっているところがある。二人はそんなところに遭遇すると、迂回を余儀なくされ、もと来た道を戻らなくてはならないのだ。
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