ジェフティ 約束
■1-3 出立の時
森から一歩出た瞬間、シェシルは急に立ち止まり風下の方角をじっと凝視していた。
その向こうには、草原地帯が広がり、すでに初夏を思わせるさわやかな風が、生え揃った青々とした草の上を気持ちよさそうにそよいでいる。
ラルフはシェシルに行く手を阻まれ、まだ森から出られないでいた。何を見ているんだろうかと、不思議に思い、シェシルの視線の先に目を向ける。
「ちっ!」
シェシルは舌打ちして、ラルフの肩を突き飛ばした。尻餅をつく形で倒れこんだラルフの上に、シェシルの呟きが振ってくる。
「運が悪い……」
「何が!?」
顔をしかめながら立ち上がろうとしたラルフの上に、シェシルの荷物が振ってきた。蛙の潰れたような声を上げるラルフに、シェシルは「さっさと隠れろ!」と怒鳴りつけた。
その向こうには、草原地帯が広がり、すでに初夏を思わせるさわやかな風が、生え揃った青々とした草の上を気持ちよさそうにそよいでいる。
ラルフはシェシルに行く手を阻まれ、まだ森から出られないでいた。何を見ているんだろうかと、不思議に思い、シェシルの視線の先に目を向ける。
「ちっ!」
シェシルは舌打ちして、ラルフの肩を突き飛ばした。尻餅をつく形で倒れこんだラルフの上に、シェシルの呟きが振ってくる。
「運が悪い……」
「何が!?」
顔をしかめながら立ち上がろうとしたラルフの上に、シェシルの荷物が振ってきた。蛙の潰れたような声を上げるラルフに、シェシルは「さっさと隠れろ!」と怒鳴りつけた。