ジェフティ 約束
馬は全速力でこちらに向かってくる。馬のひずめが大地を蹴る地鳴りが、重々しく近づいてくる。兵士が手前三十メートルの辺りで、急に減速した。
「テルテオの生き残りをこちらに渡せ!」
ラルフの背中がびくりと震えた。生き残りという言葉が、心に付いた傷をまたこじ開けたように痛んだ。
シェシルはその言葉にも動じない。
馬がさらに近づいたその時、シェシルの剣を握る手がふっと動いた。その瞬間、シェシルの瞳が周囲の光を吸収したかのように光り輝き、それが全身からあふれ出したようにラルフは感じていた。これが殺気・闘気と言われるものか。
長剣の柄を体に引き寄せ、両手で握ると、突然何の前触れもなく駆け出した。音も立てない軽やかな走り。体制を低くして、一気に兵士との間合いを詰める。
シェシルが目前にまで迫ったときの、兵士の悲鳴に似た上ずった大声が、ラルフの耳にも届いた。
「テルテオの生き残りをこちらに渡せ!」
ラルフの背中がびくりと震えた。生き残りという言葉が、心に付いた傷をまたこじ開けたように痛んだ。
シェシルはその言葉にも動じない。
馬がさらに近づいたその時、シェシルの剣を握る手がふっと動いた。その瞬間、シェシルの瞳が周囲の光を吸収したかのように光り輝き、それが全身からあふれ出したようにラルフは感じていた。これが殺気・闘気と言われるものか。
長剣の柄を体に引き寄せ、両手で握ると、突然何の前触れもなく駆け出した。音も立てない軽やかな走り。体制を低くして、一気に兵士との間合いを詰める。
シェシルが目前にまで迫ったときの、兵士の悲鳴に似た上ずった大声が、ラルフの耳にも届いた。