ジェフティ 約束
その事実にうろたえた。シェシルが言っていた覚悟とは、こういうことだ。殺らなければ、自分が殺られる。目の当たりにして、初めて現実が見えてくる。
「どうして、どうして俺を助けたんだよ!俺を差し出せば、あんただってこんな事しなくてもよかったのに」
馬に荷物を縛り付けているシェシルの背中に言葉を投げかけた。助けてもらったくせに、可愛くない言い方だった。
背中に背負った長剣を外しながら、シェシルは振り返る。
「死にたかったのか?」
その目には怒りが満ちていた。ラルフは消え入りそうな声で「そんなことないけど」とつぶやく。
「お前には目的がある。そして私に死にたくないと言った」
だから助けたんだと、シェシルは続けた。今はまだ、お前は自分自身で己を守ることもできないからだと。
その通りだ。でも、だからといってシェシルに関係のないことだったんじゃないか。
「目的を達成する前に、自ら命を投げ出すようなことは、私は許さない。それに、お前が私を森から連れ出したように、私にはこの剣を振るうのは造作もないことなんだ」
そう言われると、ラルフはもう何も二の句を告げることができなかった。
「どうして、どうして俺を助けたんだよ!俺を差し出せば、あんただってこんな事しなくてもよかったのに」
馬に荷物を縛り付けているシェシルの背中に言葉を投げかけた。助けてもらったくせに、可愛くない言い方だった。
背中に背負った長剣を外しながら、シェシルは振り返る。
「死にたかったのか?」
その目には怒りが満ちていた。ラルフは消え入りそうな声で「そんなことないけど」とつぶやく。
「お前には目的がある。そして私に死にたくないと言った」
だから助けたんだと、シェシルは続けた。今はまだ、お前は自分自身で己を守ることもできないからだと。
その通りだ。でも、だからといってシェシルに関係のないことだったんじゃないか。
「目的を達成する前に、自ら命を投げ出すようなことは、私は許さない。それに、お前が私を森から連れ出したように、私にはこの剣を振るうのは造作もないことなんだ」
そう言われると、ラルフはもう何も二の句を告げることができなかった。