ジェフティ 約束
「西……、だったかもしれない」
 シェシルの声は消え入りそうだ。
「今、どっち向いてるか分かる?」
 ラルフは空にさんさんと輝く太陽を示した。――ほら、ちゃんと太陽の位置を確認するんだよ――まるで子供に教えているような気分だ。
「……西だ」
 ――はぁ。
「ちっが~う!南向いてるだろう、今は!」
「い、いいんだよ。このままアロフかサルファイにでも着けば」
 ――あーあ、やっぱりそうきたか。
 ラルフは大きなため息をついた。
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