ジェフティ 約束
シェシルはラルフを見上げて睨みつけた。フードの奥の瞳がまたも怪しげな光を放っている。
「いいか。馬から降りてうろちょろしたら本当に殺すからな。分かったか。合図したら一人でも逃げるんだぞ」
そういい残すとシェシルは馬から離れ、抜き身の剣を握ったまま森の方向へと駆け出した。
「ちょ!ちょっと待てよ!」
ラルフはぽつんと残され、呆然とシェシルの背中を見つめる。何の事やらさっぱり分からないまま、馬の手綱を握って辺りを見回した。
相変わらず太陽は頭上にあり、じりじりと肌を焼く。草原を渡る風は、ラルフの左側に広がる彷徨いの森の木々に当たり、ざわざわと葉を揺らしその見えない姿を誇示しようとするかのようだ。
シェシルは腰を落とし、姿勢を低くしたまま草原の中を進んでいく。一体何が起きたのか、教えてくれてもいいのに。
ラルフもシェシルに習い、馬の首に腕を回し身を低くした。
「いいか。馬から降りてうろちょろしたら本当に殺すからな。分かったか。合図したら一人でも逃げるんだぞ」
そういい残すとシェシルは馬から離れ、抜き身の剣を握ったまま森の方向へと駆け出した。
「ちょ!ちょっと待てよ!」
ラルフはぽつんと残され、呆然とシェシルの背中を見つめる。何の事やらさっぱり分からないまま、馬の手綱を握って辺りを見回した。
相変わらず太陽は頭上にあり、じりじりと肌を焼く。草原を渡る風は、ラルフの左側に広がる彷徨いの森の木々に当たり、ざわざわと葉を揺らしその見えない姿を誇示しようとするかのようだ。
シェシルは腰を落とし、姿勢を低くしたまま草原の中を進んでいく。一体何が起きたのか、教えてくれてもいいのに。
ラルフもシェシルに習い、馬の首に腕を回し身を低くした。