ジェフティ 約束
 ラルフが質問をぶつけると、少年は少したじろいだ様子で、辺りをなぜかきょろきょろと見渡し始めた。
「昔ここら辺にあった農場の、捨ててあった納屋に住んでるんだけど、食い物を調達しに行かなきゃならないんだ。もう食い物が底をついちまってな」
 少年は先ほど自分が飛び出してきた崩れそうな小屋を指差した。あそこに住んでいるのか。
「ラドナスなら、オレいい店知ってんだ!きれいな残飯もあるし、ただで休めるところも知ってるぜ」
 ラルフは、なるほどとうなずいた。この少年はその残飯を集めに行くのか。
「それじゃあ、後ろに乗れよ」
「いいのか!助かるよ!」
 少年は苦労しながらも、何とか鞍の上によじ登り、ラルフの肩越しに街へと続く方角を指差した。
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