ジェフティ 約束
大人びた口調は、少女が自分を守るためにわざと口にしているに違いない。心細くないはずはないのだ。
世界の均衡の為に生まれた少女。悪魔と同じアメジストの瞳を持つ神の使い人。何のためにそのような存在が必要なのか。
――悪魔なんて見たことないから。
その伝承が確かなのかどうなのか分からない。そもそも悪魔なんて存在するのか。神という存在すら、アスベリアには疑わしい。
この世にただ一人。生れ落ちた瞬間から世界の均衡を保つために命をささげなくてはならない運命を背負う存在。
そんなものの為に、ひとつしかない自分の命を差し出せるものなのか。
世界でただ一人の巫女姫。先代の巫女姫の死後、最初に生まれたディルーベスの一族の一人がその力を引き継ぐとされている。それもこの巫女姫は歴代の姫たちの中でも特別な力を持つとされる、五百年期に生まれた巫女。
ザムラス国王は、隣国コドリスが巫女姫を狙っていると思っているのだ。ディルーベスの集落が戦渦に巻き込まれ壊滅したのも、ただの偶然ではなく、その混乱に乗じて巫女姫を奪おうとしたのではないかと。
世界の均衡の為に生まれた少女。悪魔と同じアメジストの瞳を持つ神の使い人。何のためにそのような存在が必要なのか。
――悪魔なんて見たことないから。
その伝承が確かなのかどうなのか分からない。そもそも悪魔なんて存在するのか。神という存在すら、アスベリアには疑わしい。
この世にただ一人。生れ落ちた瞬間から世界の均衡を保つために命をささげなくてはならない運命を背負う存在。
そんなものの為に、ひとつしかない自分の命を差し出せるものなのか。
世界でただ一人の巫女姫。先代の巫女姫の死後、最初に生まれたディルーベスの一族の一人がその力を引き継ぐとされている。それもこの巫女姫は歴代の姫たちの中でも特別な力を持つとされる、五百年期に生まれた巫女。
ザムラス国王は、隣国コドリスが巫女姫を狙っていると思っているのだ。ディルーベスの集落が戦渦に巻き込まれ壊滅したのも、ただの偶然ではなく、その混乱に乗じて巫女姫を奪おうとしたのではないかと。