ジェフティ 約束
ラルフは真っ赤な果実をひとつ受け取ると、それを鼻に近づけた。甘酸っぱくていい香りがする。
インサが大切に抱えていたものは、彼の全財産だったようだ。自分も露天から同じ実を買うと、金の袋の口をしっかりと縛って懐にしまう。
「うまい!」
腹が減っていてせいもあるが、初めて口にしたその果実の汁が口いっぱいにあふれ出し、ラルフは思わず笑顔になった。
「よかったな。よし、もっと旨いものを食わせてやるよ。こっちだ!」
ラルフとインサは、人ごみをかき分けながら中央広場を抜けていき、広場に面したところに立っていた宿屋の裏に入る。
脇を幅の広い水路が流れていて、さらさらと水の流れる音がした。街灯は一本も立ってはいなかったが、家々の裏口から漏れる明かりで、あたりは薄ぼんやりと明るい。
その路地に一歩足を踏み入れた瞬間、表の騒ぎがうそのように静まり返る。
インサが大切に抱えていたものは、彼の全財産だったようだ。自分も露天から同じ実を買うと、金の袋の口をしっかりと縛って懐にしまう。
「うまい!」
腹が減っていてせいもあるが、初めて口にしたその果実の汁が口いっぱいにあふれ出し、ラルフは思わず笑顔になった。
「よかったな。よし、もっと旨いものを食わせてやるよ。こっちだ!」
ラルフとインサは、人ごみをかき分けながら中央広場を抜けていき、広場に面したところに立っていた宿屋の裏に入る。
脇を幅の広い水路が流れていて、さらさらと水の流れる音がした。街灯は一本も立ってはいなかったが、家々の裏口から漏れる明かりで、あたりは薄ぼんやりと明るい。
その路地に一歩足を踏み入れた瞬間、表の騒ぎがうそのように静まり返る。