ジェフティ 約束
「あの下種野郎に、娼館を丸ごと買われて仕方なくさ」
立ち止まるアスベリアにするりと身を寄せると、シェンタールはマントの下の体に腕を回してアスベリアの胸に体を預ける。
「……あの野郎のところに戻れよ」
「しばらくぶりだってのに、相変わらずお堅いことだね。私はあんたの馴染みだろう?」
シェンタールはアスベリアを見上げ、白くて細いひんやりとした指先でアスベリアの頬を撫でた。エメラルドグリーンの大きな瞳が、いたずらを楽しむかのように細められる。アスベリアはシェンタールの手を取ると、手の甲に唇をつけながら苦笑した。
「それを言うなら馴染みじゃなくて、どちらかといえば幼馴染だ。オレはお前と寝たことなんてないだろう。それにお前はもう、他の旦那のものだしな」
シェンタールには、娼館を買い与えてくれた旦那がいる。オルバーの城下で店を開いているのだ。アスベリアと王都カリシアで乞食同然に身を寄せ合っていた、あの頃の仲間。
「相変わらず面白くない男だね」
立ち止まるアスベリアにするりと身を寄せると、シェンタールはマントの下の体に腕を回してアスベリアの胸に体を預ける。
「……あの野郎のところに戻れよ」
「しばらくぶりだってのに、相変わらずお堅いことだね。私はあんたの馴染みだろう?」
シェンタールはアスベリアを見上げ、白くて細いひんやりとした指先でアスベリアの頬を撫でた。エメラルドグリーンの大きな瞳が、いたずらを楽しむかのように細められる。アスベリアはシェンタールの手を取ると、手の甲に唇をつけながら苦笑した。
「それを言うなら馴染みじゃなくて、どちらかといえば幼馴染だ。オレはお前と寝たことなんてないだろう。それにお前はもう、他の旦那のものだしな」
シェンタールには、娼館を買い与えてくれた旦那がいる。オルバーの城下で店を開いているのだ。アスベリアと王都カリシアで乞食同然に身を寄せ合っていた、あの頃の仲間。
「相変わらず面白くない男だね」