ジェフティ 約束
巫女姫は籠の中に新たに設えた小さな寝台に腰を下ろし、羽毛のクッションをひざに抱えて、小さな明かり取りの窓を凝視しているか、そのまま目を閉じているかのどちらかだ。時折、アスベリアの方を見つめるときもあるが、すぐに視線を外してしまう。
――何を考えているのか、さっぱり分からない――というのが、アスベリアの正直な想いだった。
アスベリアが夕食の盛り付けられたトレーをエドから受け取り、巫女姫の籠の中へ滑り込ませる。
「……夕食です、巫女姫」
アスベリアはここ数日で、巫女姫が果物が好きだということまで把握していた。それほど心を砕いて、観察している証拠だ。
声をかけても身じろぎしない巫女姫をじっと見つめる。
――眠っているのだろうか?
アスベリアは身を乗り出して、籠の隙間から中を覗き込んでみた。ただの少女ではないか。アスベリアは再びそう思うよう努める。まだ幼さの残る額が見えた。馬車の中で輝くランプの光が、籠の隙間を通して、少女の白い肌を断片的に浮き上がらせている。
――何を考えているのか、さっぱり分からない――というのが、アスベリアの正直な想いだった。
アスベリアが夕食の盛り付けられたトレーをエドから受け取り、巫女姫の籠の中へ滑り込ませる。
「……夕食です、巫女姫」
アスベリアはここ数日で、巫女姫が果物が好きだということまで把握していた。それほど心を砕いて、観察している証拠だ。
声をかけても身じろぎしない巫女姫をじっと見つめる。
――眠っているのだろうか?
アスベリアは身を乗り出して、籠の隙間から中を覗き込んでみた。ただの少女ではないか。アスベリアは再びそう思うよう努める。まだ幼さの残る額が見えた。馬車の中で輝くランプの光が、籠の隙間を通して、少女の白い肌を断片的に浮き上がらせている。