ジェフティ 約束
 ――まただ……。
『……アス……』
 再び許されない罪が心を苛む。なぜ……、なぜ、それが今なのだ。
 背筋が寒くなる。
 ――オレに罰を与えよう、と?
 アスベリアの表情が苦しみに歪み、片手で前髪をくしゃりと掴むと唇をかみ締め、ジェフティの双眸から目を逸らしたい衝動をぐっと抑えた。

 ――一体、この少女の目的はなんだ-
 復讐か。制裁か。それを行うだけの理由が巫女姫にはある。それとも、この胸に去来する想いこそ、それがアスベリアに対する神の意志だとでもいいたいのか。
 陛下が手に入れたがっていた巫女姫とはどういう存在なのだろうか。陛下は巫女姫がどのようなものなのか知っているのか?
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