ジェフティ 約束
――あまりにも危険だ。
アスベリアは咄嗟にそう思う。
なぜ、陛下がこの少女を連れてこいという命を下したのかは聴かされていない。国民にその存在が生存していることを悟られないよう、事情を知るものはすべて殺せという念の入れようだった。
――陛下は、この巫女姫をどうするつもりなのか?
隣国コドリスの手に落ちる前に、自分で保護しようと思ったのか。いや、保護などという生ぬるい思いで命令したわけではないだろう。この国の王は思いやりなんてものは欠片も持っていない男だ。
ディルーベスの村は男が少なく、収入も乏しい。近隣の村からの供え物として届く食べ物や金品などで生活しているようなものだ。
何度かディルーベスの村から援助の嘆願が届いたが、まったく耳を貸そうともしなかった。それどころか、陛下は近隣諸国との領地の奪い合いにうつつをぬかし、自分の国の内情も無視して、国民に重い税をかせ苦しめていた。挙句、収穫の時期も無視し男たちを戦場へと集める始末だ。
アスベリアは咄嗟にそう思う。
なぜ、陛下がこの少女を連れてこいという命を下したのかは聴かされていない。国民にその存在が生存していることを悟られないよう、事情を知るものはすべて殺せという念の入れようだった。
――陛下は、この巫女姫をどうするつもりなのか?
隣国コドリスの手に落ちる前に、自分で保護しようと思ったのか。いや、保護などという生ぬるい思いで命令したわけではないだろう。この国の王は思いやりなんてものは欠片も持っていない男だ。
ディルーベスの村は男が少なく、収入も乏しい。近隣の村からの供え物として届く食べ物や金品などで生活しているようなものだ。
何度かディルーベスの村から援助の嘆願が届いたが、まったく耳を貸そうともしなかった。それどころか、陛下は近隣諸国との領地の奪い合いにうつつをぬかし、自分の国の内情も無視して、国民に重い税をかせ苦しめていた。挙句、収穫の時期も無視し男たちを戦場へと集める始末だ。