ジェフティ 約束
いつだったか、宰相が我ら領主たちの嘆願をまとめて陛下に進言したが、その時など陛下の逆鱗に触れてしまい、宰相は貴族階級を取り上げられ騎士権すら剥奪されて没落したのだ。
それを今になってどうだ。今まで疎ましくさえ思っていたほどだったのに、他の国が欲しがっていると知ったら、目の色を変えて自分のものだと主張したがる。
幼稚で強欲な考えではないか。
ノリスの言葉がよみがえる。
――私たちは、陛下にとって捨て駒の一つだ。何のために人を傷つけなくてはならない。もう剣を握る理由がみつからないんだ。
あれは、ノリスが王都を去る直前、アスベリアに別れを告げにきたとき、引きとめようとしたアスベリアにノリスは疲れきった表情でそう言い頭をふった。
それを今になってどうだ。今まで疎ましくさえ思っていたほどだったのに、他の国が欲しがっていると知ったら、目の色を変えて自分のものだと主張したがる。
幼稚で強欲な考えではないか。
ノリスの言葉がよみがえる。
――私たちは、陛下にとって捨て駒の一つだ。何のために人を傷つけなくてはならない。もう剣を握る理由がみつからないんだ。
あれは、ノリスが王都を去る直前、アスベリアに別れを告げにきたとき、引きとめようとしたアスベリアにノリスは疲れきった表情でそう言い頭をふった。