ジェフティ 約束
イムンは突如隊列の後方で起こった出来事に怯え、唇を震わせ眼に涙をためている。
「どうしたんだ、イムン」
アスベリアは声を落として、イムンの肩に手を置く。イムンは少将の落ち着き払った表情を見て、少し落ち着きを取り戻したのか、声を震わせながらも、後方を振り返り報告を伝える。
「あ、あの、突如山賊に襲われ、隊列の後ろで小競り合いが始まっております!」
「山賊?」
国から課せられる重い税の影響で、苦しんだ農民たちが自分の土地や畑を投げ出して、他国からやってきた裕福な商人や旅人を襲うという話は聞き及んでいた。しかし……、とアスベリアの表情は曇る。
――この隊は仮にもノベリアの旗を掲げた国王軍だぞ。
山賊が襲うとはとても考えられないのだ。
「アスベリア様……」
エドがアスベリアの背後でそっと声をかけた。
――何かあるな。
と、アスベリアは咄嗟(とっさ)に判断をすると、イムンの目を覗き込み、ゆっくりと口を開いた。
「どうしたんだ、イムン」
アスベリアは声を落として、イムンの肩に手を置く。イムンは少将の落ち着き払った表情を見て、少し落ち着きを取り戻したのか、声を震わせながらも、後方を振り返り報告を伝える。
「あ、あの、突如山賊に襲われ、隊列の後ろで小競り合いが始まっております!」
「山賊?」
国から課せられる重い税の影響で、苦しんだ農民たちが自分の土地や畑を投げ出して、他国からやってきた裕福な商人や旅人を襲うという話は聞き及んでいた。しかし……、とアスベリアの表情は曇る。
――この隊は仮にもノベリアの旗を掲げた国王軍だぞ。
山賊が襲うとはとても考えられないのだ。
「アスベリア様……」
エドがアスベリアの背後でそっと声をかけた。
――何かあるな。
と、アスベリアは咄嗟(とっさ)に判断をすると、イムンの目を覗き込み、ゆっくりと口を開いた。