ジェフティ 約束
あの頃からは想像もつかないほどに立派に成長したアスベリアの姿を思い浮かべた。
――生意気になりおって……。
エドはふっと笑う。
あの意志の強い琥珀色の瞳が、エドの心を離すことはなかった。戦場で駆けずり回る少年を、まるで自分の子供のように思い、時には命を助け、そしてその存在に自分も助けられていた。
王都カリシアから南西に位置する大陸の半島部分、オスベラスがまだ一つの独立した国だった頃、ノベリアはその領土への侵略を図り進軍を開始した。
その頃、エドの妻シェアナは始めてできた子供を亡くしたばかりで、憔悴し床に伏せていた。しかし、エドは、そんな傷ついたシェアナを一人家に残したまま、必死に彼を制止しようとする彼女の手を振り切り戦地へと赴いたのだった。
なぜあんなにも戦場に心酔していたのか、今になってもその理由が見つからない。
「お願いだから、もうその手を汚すようなことはやめて!あなたを失いたくないの」
か弱い声だった。何度涙に曇るその声を聞いたことか。その言葉を背に戦場に出ると、必ず生きて帰るんだと気持ちが引き締まったものだ。
――生意気になりおって……。
エドはふっと笑う。
あの意志の強い琥珀色の瞳が、エドの心を離すことはなかった。戦場で駆けずり回る少年を、まるで自分の子供のように思い、時には命を助け、そしてその存在に自分も助けられていた。
王都カリシアから南西に位置する大陸の半島部分、オスベラスがまだ一つの独立した国だった頃、ノベリアはその領土への侵略を図り進軍を開始した。
その頃、エドの妻シェアナは始めてできた子供を亡くしたばかりで、憔悴し床に伏せていた。しかし、エドは、そんな傷ついたシェアナを一人家に残したまま、必死に彼を制止しようとする彼女の手を振り切り戦地へと赴いたのだった。
なぜあんなにも戦場に心酔していたのか、今になってもその理由が見つからない。
「お願いだから、もうその手を汚すようなことはやめて!あなたを失いたくないの」
か弱い声だった。何度涙に曇るその声を聞いたことか。その言葉を背に戦場に出ると、必ず生きて帰るんだと気持ちが引き締まったものだ。