ジェフティ 約束
■4-2 霧煙る国境
ラルフとシェシルを乗せた馬は、ラドナスの街を飛び出すと、しばらく南へ向かっていたが、街の明かりが見えなくなった頃にラドナスを迂回する形で北に進路をとった。
ラドナスの街から北は、テルテオに続く森が広がり、さらにその先にベチカ山脈がそびえている。二人はその北に広がる森を超え、ノベリアとコドリスの国境地帯、ベチカ山脈の麓に沿って、西に向かおうとしていた。
シェシルは、馬を走らせながらラドナスの街の方を振り返ったが、ノベリア兵の追っ手が来ないことを確認すると、やっと馬の歩調を緩め緊張を解いた。
ノベリアの兵士はシェシルの存在に怯えて追跡を諦めたのか、月の出ない暗闇の夜では追うのも困難と判断したのか。
「ふっ、あいつら夜の追走はあきらめたらしい。ま、この月無し夜では仕方ないだろう。私たちは運が良かったんだろうな。
それに、街の外を探すのにいささか手勢が少なかったようだな。しばらくは追ってはこないか……、それにしても……」
ラドナスの街から北は、テルテオに続く森が広がり、さらにその先にベチカ山脈がそびえている。二人はその北に広がる森を超え、ノベリアとコドリスの国境地帯、ベチカ山脈の麓に沿って、西に向かおうとしていた。
シェシルは、馬を走らせながらラドナスの街の方を振り返ったが、ノベリア兵の追っ手が来ないことを確認すると、やっと馬の歩調を緩め緊張を解いた。
ノベリアの兵士はシェシルの存在に怯えて追跡を諦めたのか、月の出ない暗闇の夜では追うのも困難と判断したのか。
「ふっ、あいつら夜の追走はあきらめたらしい。ま、この月無し夜では仕方ないだろう。私たちは運が良かったんだろうな。
それに、街の外を探すのにいささか手勢が少なかったようだな。しばらくは追ってはこないか……、それにしても……」