ジェフティ 約束
馬の影がシェシルの隠れている木のところまでとどいたその時、シェシルが馬の前に飛び出した。シェシルが宙へと抜き放った長剣が、燐光のように美しくまばゆい光りを一瞬放った。
驚いた馬は前足を蹴り上げ、大きく嘶き首を振って暴れだした。
「うわぁ!」
乗っていた馬が突然暴れだしたのと、目の前に人が飛び出してきたのに驚いた馬上の人影は、馬のたてがみにしがみつくこともできず、弾かれたように背中から地面に落下した。
手に持っていたランプが地面に転がり、ふっと周囲が暗闇に包まれる。その暗闇に薄い燐光を放つシェシルの剣と、興奮に鼻息も荒く見開かれている馬の目だけが浮かび上がった。
シェシルの剣がフゥンという音を立て、地面に転がっている人影に向けられる。
「どういうつもりだ、お前」
シェシルはため息交じりの怒りがこもった声で、人影に問いかける。暴れる馬の手綱を器用に引き寄せ、足元に転がっている人影を蹴った。
「いてぇ……、もう酷いなあ、姐さんは……」
この声には聞き覚えがあった。ラルフは慌てて馬から降りるとシェシルの方へと駆け寄る。もぞもぞと体を動かしながら、人影が起き上がり、いててとうめきながら目深にかぶっていたフードを払った。
驚いた馬は前足を蹴り上げ、大きく嘶き首を振って暴れだした。
「うわぁ!」
乗っていた馬が突然暴れだしたのと、目の前に人が飛び出してきたのに驚いた馬上の人影は、馬のたてがみにしがみつくこともできず、弾かれたように背中から地面に落下した。
手に持っていたランプが地面に転がり、ふっと周囲が暗闇に包まれる。その暗闇に薄い燐光を放つシェシルの剣と、興奮に鼻息も荒く見開かれている馬の目だけが浮かび上がった。
シェシルの剣がフゥンという音を立て、地面に転がっている人影に向けられる。
「どういうつもりだ、お前」
シェシルはため息交じりの怒りがこもった声で、人影に問いかける。暴れる馬の手綱を器用に引き寄せ、足元に転がっている人影を蹴った。
「いてぇ……、もう酷いなあ、姐さんは……」
この声には聞き覚えがあった。ラルフは慌てて馬から降りるとシェシルの方へと駆け寄る。もぞもぞと体を動かしながら、人影が起き上がり、いててとうめきながら目深にかぶっていたフードを払った。