ジェフティ 約束
「私の剣先を目で追うな」
 シェシルがそう言った瞬間、ラルフは足元をすくわれ気がついたときには地面に突っ伏していた。
 シェシルは剣術だけではなく、体術においても熟達している。シェシルが振る剣筋にばかり目がいっていると、あっという間に足を払われてしまうのだ。
「自分の体の大きさ、剣の長さを体に教え込むんだ。それを感じることができたら、不用意に私の間合いに自分から踏み込んでくることもない」
 ラルフは体の痛みと共に、シェシルの言葉を、動きと剣の重みを覚えていく。
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