ジェフティ 約束
「この隊は、セオール=マーニヤの差し金だろう」
一瞬、男の視線に殺気が立ち上る。
「何が言いたい」
男は、喉の置くから搾り出すような声を発した。その名を口にしただけで、これほどの男が緊張するような女とは、一体どういう人物なのか。
「戦盤上のジーニアス、常勝の姫君……とか。ノベリアでもその名は知れている。アルハンマムールの紋章は、その勇名と共に天下に轟いているからな」
アスベリアの瞳が、挑発的な輝きに揺らぐ。
「ディルーベスの巫女姫をくれてやってもいいぞ」
「目的はなんだ。なぜお前がそんなことを言い出す」
「それが欲しいのだろう?」
男は、持っていたグラスを傍らの木の箱の上に置いた。
「巫女姫はすでにあの隊にはいなかった。どこにいるのか知りたくて、オレを捕虜にしたんだろう?」
男はなおも黙って、ギラリと光る視線を向け、殺気を身のうちに潜ませていた。
「オレの利用価値を侮るなよ。オレはもう国には戻れない。いや、戻る気もない。国王の犬なんてまっぴらなんだよ」
「お前の虚勢など、セオール殿下には届かんぞ」
「さあな、やってみなくちゃわからんだろう。オレは、こんなクソくらえなちっぽけな国の為に死ぬのはゴメンだ。オレは自分の命に懸けても、国王の為になど死にたくないね」
一瞬、男の視線に殺気が立ち上る。
「何が言いたい」
男は、喉の置くから搾り出すような声を発した。その名を口にしただけで、これほどの男が緊張するような女とは、一体どういう人物なのか。
「戦盤上のジーニアス、常勝の姫君……とか。ノベリアでもその名は知れている。アルハンマムールの紋章は、その勇名と共に天下に轟いているからな」
アスベリアの瞳が、挑発的な輝きに揺らぐ。
「ディルーベスの巫女姫をくれてやってもいいぞ」
「目的はなんだ。なぜお前がそんなことを言い出す」
「それが欲しいのだろう?」
男は、持っていたグラスを傍らの木の箱の上に置いた。
「巫女姫はすでにあの隊にはいなかった。どこにいるのか知りたくて、オレを捕虜にしたんだろう?」
男はなおも黙って、ギラリと光る視線を向け、殺気を身のうちに潜ませていた。
「オレの利用価値を侮るなよ。オレはもう国には戻れない。いや、戻る気もない。国王の犬なんてまっぴらなんだよ」
「お前の虚勢など、セオール殿下には届かんぞ」
「さあな、やってみなくちゃわからんだろう。オレは、こんなクソくらえなちっぽけな国の為に死ぬのはゴメンだ。オレは自分の命に懸けても、国王の為になど死にたくないね」