ジェフティ 約束
「!!うあっち!」
持っていた椀からスープがこぼれ出し、手にかかる。ぼうっと見とれているうちに、手の中の椀が傾いたのだ。
――恥ずかしい……。
隣の部屋からラルフのあわてぶりを見ていたシモーヌが、堪え切れず笑い出した。
――もう、穴があったら入りたいよ……。
一方ジェイは、スープのかかったラルフの手を、傍らにあった布で拭いてやる。真っ白で細くてキズ痕一つないきれいな手だ。自分の日焼けした手とは違う、女の子の柔らかい手。
「!」
――うわ!さ、触られてる!
「ラルフ?」
「は、はい!」
思わず姿勢が良くなる。
「今度、外に出られるようになったら、ラルフのとっておきの場所に連れて行ってね」
ジェイはラルフの手を握り締めたまま、にっこり笑った。ラルフは心臓が跳ね上がり、ただジェイの笑顔がこのままずっと曇らなければいい、そう心から思うのだった。
持っていた椀からスープがこぼれ出し、手にかかる。ぼうっと見とれているうちに、手の中の椀が傾いたのだ。
――恥ずかしい……。
隣の部屋からラルフのあわてぶりを見ていたシモーヌが、堪え切れず笑い出した。
――もう、穴があったら入りたいよ……。
一方ジェイは、スープのかかったラルフの手を、傍らにあった布で拭いてやる。真っ白で細くてキズ痕一つないきれいな手だ。自分の日焼けした手とは違う、女の子の柔らかい手。
「!」
――うわ!さ、触られてる!
「ラルフ?」
「は、はい!」
思わず姿勢が良くなる。
「今度、外に出られるようになったら、ラルフのとっておきの場所に連れて行ってね」
ジェイはラルフの手を握り締めたまま、にっこり笑った。ラルフは心臓が跳ね上がり、ただジェイの笑顔がこのままずっと曇らなければいい、そう心から思うのだった。