ジェフティ 約束
治療院から出てきたラルフが、籠をもって山へ向かって行くのを、畑の畦でダルクは見ていた。ラルフの足取りがやけに軽い。
「なんだ?ラルフのやつ。こんな時期に木の実採りか?」
隣にいたノリスが、呆れた顔のダルクを見て噴き出した。
「春だね。ラルフはジェイに一目ぼれしたんだろう。今は何か喜ぶことをしてあげたくって仕方がないんじゃないか?」
ノリスは、手にしていた鍬を地に下ろして、満面の笑みを浮かべ青く澄み渡った空を見上げてからかい口調で続ける。
「兄さんだって、そうだったじゃないか」
ダルクはふと動きを止めて顔をしかめる。
「そう、だったかなぁ」
「兄さんは、今でもエリア義姉さんに惚れてるからなあ」
「今さら、からかうなよ」
ダルクは「お前こそどうなんだよ」とノリスの胸を叩きながら、山を登っていく息子の後姿を見つめていた。
「なんだ?ラルフのやつ。こんな時期に木の実採りか?」
隣にいたノリスが、呆れた顔のダルクを見て噴き出した。
「春だね。ラルフはジェイに一目ぼれしたんだろう。今は何か喜ぶことをしてあげたくって仕方がないんじゃないか?」
ノリスは、手にしていた鍬を地に下ろして、満面の笑みを浮かべ青く澄み渡った空を見上げてからかい口調で続ける。
「兄さんだって、そうだったじゃないか」
ダルクはふと動きを止めて顔をしかめる。
「そう、だったかなぁ」
「兄さんは、今でもエリア義姉さんに惚れてるからなあ」
「今さら、からかうなよ」
ダルクは「お前こそどうなんだよ」とノリスの胸を叩きながら、山を登っていく息子の後姿を見つめていた。