ジェフティ 約束
サズルは床を転げて逃げるアスベリアに挑発的な笑みを向けた。
――誘われてはいけない。相手の調子に巻き込まれたら終わりだ。周囲をよく見ろ。どんなてだれであっても、必ず隙は生まれる。
ノリスが剣の稽古をつけるとき、アスベリアによく言っていた言葉が脳裏をよぎる。冷静になれと自分に言い聞かせ隙を見つけようと動き回った。
サズルに刺された脇腹から流れ出す血のせいで眼が回る。
「おいおい、足元がおぼつかないぞ」
「だまれ!」
アスベリアはとっさに椅子の上にあったクッションを掴み、サズルの剣に振り下ろす。布の裂ける音がし、辺りに茶色い羽毛が飛び散った。
「こしゃくな!」
アスベリアは薄く透ける天幕を引きちぎり、サズルへと投げつける。剣に絡みついた天幕を力任せに引っ張り、アスベリアは渾身の力を込めてサズルの懐へ飛び込むと、その身体を寝台へと叩きつけた。
――誘われてはいけない。相手の調子に巻き込まれたら終わりだ。周囲をよく見ろ。どんなてだれであっても、必ず隙は生まれる。
ノリスが剣の稽古をつけるとき、アスベリアによく言っていた言葉が脳裏をよぎる。冷静になれと自分に言い聞かせ隙を見つけようと動き回った。
サズルに刺された脇腹から流れ出す血のせいで眼が回る。
「おいおい、足元がおぼつかないぞ」
「だまれ!」
アスベリアはとっさに椅子の上にあったクッションを掴み、サズルの剣に振り下ろす。布の裂ける音がし、辺りに茶色い羽毛が飛び散った。
「こしゃくな!」
アスベリアは薄く透ける天幕を引きちぎり、サズルへと投げつける。剣に絡みついた天幕を力任せに引っ張り、アスベリアは渾身の力を込めてサズルの懐へ飛び込むと、その身体を寝台へと叩きつけた。