ジェフティ 約束
「オレは、まだ死ねない!」
「ぐおぁ!」
アスベリアはサズルともつれ合いながら、寝台から床に倒れこんだ。サズルの首から夥しい血が流れ出し、一瞬の痙攣の後その身体は力を失い床に伸びる。
アスベリアは肩で息をしながら、膝を突いて深呼吸をした。
「オレが弱い人間かどうか、あの世で見てるがいい」
小刀を振り上げ、サズルの胸に力任せに突き立てた。
サズルの剣は、主の手から離れても、まだ青白い燐光を放っていた。天幕のしたからそれを抜き取り、壁に掛かっていたオイルローブを掴んだ。
「何の物音だ!」
扉の向こうでは、騒ぎを聞きつけた兵士たちが、ようやく起き出してきた。兵士たちは何事かと大声をあげ、酔いつぶれて眠りこける仲間をたたき起こしている。
「仕方ない」
アスベリアは部屋の隅に倒れていた椅子を持ち上げると、それを窓に向かって投げつけた。目の前で、薄く張ったベールが落ちるかのように、その窓はくだけ散り激しい音を立てた。
痛む脇腹を押さえ、アスベリアは窓枠を掴んで外へと飛び出すと、雨に煙る夜の闇に消えていった。
「ぐおぁ!」
アスベリアはサズルともつれ合いながら、寝台から床に倒れこんだ。サズルの首から夥しい血が流れ出し、一瞬の痙攣の後その身体は力を失い床に伸びる。
アスベリアは肩で息をしながら、膝を突いて深呼吸をした。
「オレが弱い人間かどうか、あの世で見てるがいい」
小刀を振り上げ、サズルの胸に力任せに突き立てた。
サズルの剣は、主の手から離れても、まだ青白い燐光を放っていた。天幕のしたからそれを抜き取り、壁に掛かっていたオイルローブを掴んだ。
「何の物音だ!」
扉の向こうでは、騒ぎを聞きつけた兵士たちが、ようやく起き出してきた。兵士たちは何事かと大声をあげ、酔いつぶれて眠りこける仲間をたたき起こしている。
「仕方ない」
アスベリアは部屋の隅に倒れていた椅子を持ち上げると、それを窓に向かって投げつけた。目の前で、薄く張ったベールが落ちるかのように、その窓はくだけ散り激しい音を立てた。
痛む脇腹を押さえ、アスベリアは窓枠を掴んで外へと飛び出すと、雨に煙る夜の闇に消えていった。